比羅夫コース
2010年の6月は真夏日が3日もあった。北海道で6月に3日以上真夏日が存在したのは1877年の明治時代に統計開始して以来なのだという。
そんな週末、妻に許しを得て羊蹄山登山にトライすることにした。
比羅夫コースの登山口は半月湖野営場となっており、無料でキャンプが可能となっている。
ここにテントを張って翌日早朝から登山の計画だ。
このキャンプ場はあまりキャンプ客がいないと聞いていたが、僕が泊ったときには北大の野鳥観察のサークルメンバー20数人がキャンプに来ていた。さぞかし騒がしくなるのだろうと危惧していたが意外にも静かにしてくれ、ぐっすり眠ることができた。登山口には4時30分すぎから続々と自家用車や観光バスが訪れ、騒がしくなった。この騒がしさなら目覚まし時計は不要であろう。キャンプのためだけに訪れていた北大生には大きな迷惑だったに違いない。
翌日は朝5時から登り始めた。
写真は登山口の様子。
登り始めてすぐに登山道にミヤマカラスアゲハの姿を認めた。
全体的に黒っぽい色だが、よくよく見ると実に細かな模様になっていることがわかる。
さすがアゲハの名を持つ蝶だ。
2合目あたりから5合目までは眺めもないただひたすらの登りであった。初心者が最初からこの山にアタックしたらきっと登山が嫌いになるだろう。徐々に展望が開けてくると、背後にニセコアンヌプリの姿が望まれた。
比羅夫コースの登山道はところどころ幅が広い部分もあるが基本的には狭い山道だ。
僕は花を撮影する時には通常三脚を使用しているが、他の登山者に迷惑にならぬよう留意している。
それにしても、この羊蹄山に入山する中高年のツアー登山者の多さには閉口した。しかもほとんどが道外からのツアーで帽子もかぶらず小さなリュックと軽装で入山している人もいた。彼らはガイドに連れられて15-20人程度で遅々として進むので花を撮影するためには追い抜いてもらい、その後また追い越すということを数度繰り返した。
挙句の果てに熊鈴はうるさいから片づけてくれと注意される始末。
なんだか折角の楽しい登山気分をそがれてしまったのも事実だ。
9合目までくると一気に花の種類が増えた。
イワブクロ
キクバクワガタ
イワベンケイ
エゾノツガザクラ
イワウメ
イソツツジ
ミヤマキンバイ
山頂付近より父釜爆裂火口とミヤマキンバイ。この時期にしか見られぬエメラルドグリーンの池も見られた。これが羊蹄の湧水となるのだ。
ウコンウツギと父釜。
山頂の標識。
羊蹄山より洞爺湖を望む。
(羊蹄山 2010年6月26日)