空沼岳 (2013年6月30日)

空沼岳登山口→空沼岳(1,251m)→空沼岳登山口

【空沼岳へ】

6月に入って好転続きの北海道。思うように休みが取れない中、6月の下旬に大学時代の友人二人を誘って登山を計画した。
元々は夕張岳の予定だったが、林道が破綻して通行不能になってしまったと前日に知り、急遽予定を変更したのであった。実はこの山は、2010年の7月にも登ったことがあったがその時は非常に天気が悪く、途中から雨も降り出す始末。不気味な体験をしたのを覚えている。

登山口に到着したのは午前7時。すでにたくさんの車が止まっていて山ガール5-6人のグループも見られた。入山届けに記帳して登り始める。
花は最初、ズダヤクシュやマイヅルソウなどの小さい花が多かった。それでも平地では5月中旬の花が、この時期に見られる事に小さな感動を覚えた。
久々の仲間ととりとめもない話をしながら登っていると、渓流を越えた先の万計沼にたどり着いた。
とは言っても、登山口からこの万計沼までは歩行距離にして4.2kmもある。時間にしてゆうに2時間半は経過している。傾斜はきつくはないが行程が長いだけ、なかなか登り甲斐のある山だ。

万計沼のほとりで休む友人たち。

万計沼のすぐとなりに、万計山荘がある。ここで一泊して札幌岳へ縦走したり、ゆっくり登る人もいるようだ。
ただ、惜しむらくはここから山頂まではさらに1時間以上あるので、空沼岳で気軽にご来光を見るというのが難しい点だろう。せめてもう少し上の真簾沼の場所に小屋があればなぁと思う。
驚くべきことにオフロードのバイクで登ってきている人がいた。少しでもバランスを崩したら滑落の危険があるだろうに、どこかに別ルートでもあるんだろうか。

万計沼のほとりには、ミツガシワの花が満開だった。
地味な花だけど、一息ついた体と心を休めるには最高だった。

さらに歩を進めると、登山道にはツバメオモトが姿を見せてくれた。この可憐な花をまさか6月の末に見られるとは思っていなかった。今年は雪解けが遅かったことも大いに関係しているだろう。この花を野山で見ると、いつも疲れが吹き飛んでしまう。マクロレンズを構えて太陽の光が花弁に差し込んだ瞬間を待ってシャッターを切った。

【真簾沼】

しばらくの登りのあとで、真簾沼に到着した。ブッシュに囲まれた大きな水たまりという印象であった。

真簾沼を超えると少し傾斜が急になってくるが、長く続く登りはなく時折アップダウンを繰り返しながら登っていく。
展望もほとんどないため随分と長いハイキングコースだと感じることだろう。
しかし、しばらくの登りの後で一気に展望が開ける場所があった。札幌市街の街並みはもちろん、藻岩山(南斜面のスキー場がよく見える)、普段とは逆に、裏側から見たアンテナの林立する手稲山もくっきりと望まれた。

【空沼岳山頂】

ハイマツが現れてくると、もうすぐ山頂だ。岩場に囲まれた狭い山頂に立った!

山頂では多くの人が初夏の青空と360度の絶景を満喫していた。西の方角にくっきり見える羊蹄山、無意根山にはまだ雪が残っていた。北には増毛連山と大雪山も見ることができた。

羊蹄山を望遠レンズで撮影

支笏湖が雲海の下だったのは少し残念だったが、恵庭岳のシルエットが美しかった。

山頂の展望を楽しむ。

青空の空沼岳で登頂のポーズをとってみた(笑)。実はこの看板の隣に単独の外国人登山者が座っていたのだがわざわざ頼んで場所を移動してもらったのだ(笑)。

【そして下山】

30分ほど休んだあと、ゆっくりと下山した。
下山途中で、登りの時には気づかなかった白く小さな花が目にとまった。下山後に調べてみると、コミヤマカタバミという花らしい。実に可憐な姿だ。

こちらはミツバオウレン。もう少し写真の腕を上げなければならない(笑)。

【エメラルドに煌く】

再び、万計沼に戻ってくると登りの時とは光線状態が変わっていた。
数時間前とは違う、初夏の万緑を映し出していた。

帰りは友人と温泉に浸かってゆっくり帰宅した。
今回の行程をカシミール3Dで描画するとこのようになる。1,251mの低山(?)なのにすごく行程が長い。またいつか別の季節に訪れてみたい山である。

(空沼岳 2013年6月30日)
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