島松の朝

 
 先日、千歳線で列車を撮影しようと、早起きしてでかけたが、はりきりすぎてかなり早く着いてしまった。太陽はまだ地平線の下にある。車の中で仮眠を取ろうと思ったが、なんだか落ち着かないので外に出て散歩することにした。
 島松界隈は霧が多いことで知られており、それは「撮り鉄泣かせ」でもあるのだが、この日は特別だった。太陽が地平線から顔を出し、あたりを照らすと、一面の朝霧がみるみるオレンジ色に染まった。まさか札幌近郊でこのような息を飲む景色に出会えるとは思ってもみなかった。
 僕は朝の光をからだ全体で受け止めながら、徐々に消えてゆく霧をただ見つめていた。

(北広島市 2008年8月5日)
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