赤岳~黒岳縦走 (2011年9月24-25日)
銀泉台→赤岳(2,077m)→白雲岳避難小屋→白雲岳(2,230m)→北海岳(2,149m)→黒岳(1,984m)→層雲峡
【層雲峡の夜】
【銀泉台から赤岳へ】
赤岳登山口の銀泉台は標高1,500メートルに位置し、北海道では車で行くことのできるもっとも標高の高い場所だ。以前は赤岳の登山口はさらに下方の標高1,300メートル付近にあったのだという。1960年代に、大雪山を走る観光道路の計画が持ち上がったものの、住民の猛反対にあい計画は中止となった。その時に延長された道路が今の銀泉台だ。
登山口から20-30分ほど登ると、三脚を並べたカメラマンがずらりと並んでいた。ここは紅葉の有名なスポット。しかしながら空にはガスがかかり期待したような鮮やかな紅葉をカメラにおさめることはできなかった。
【白雲岳避難小屋】
ゆっくり歩いて、白雲岳避難小屋に到着したときには、すでに数人の登山客がくつろいでおり、僕は2階の開いているスペースに寝袋を広げた。時刻はまだ13時を過ぎたばかりだったが次第に空模様が怪しくなり、雪交じりの強い雨となってきた。早いうちに到着して落ち着いたのはよかったのだが、夜までの時間をつぶすのに一苦労であった。15時過ぎになって空模様はどんどん怪しくなっていた。僕の持っているソフトバンクのiPhoneは当然(?)圏外だったが、ドコモの携帯を持っていた登山者が天気予報を確認してくれた。それによると夜から明け方にかけて少しだけ天気が回復するもののすぐに下り坂になるだろうとのことであった。その予報にはさすがにガッカリさせられた。予報の通り、その後も天候は回復する気配がなかった。16時頃になって、もう一人の登山者が小屋に入ってきた。がっしりした体つきをしたその人は、大きなザックにお化けのようなデカイ三脚を担いでいた。聞けば本州から来たカメラマンらしいがこの寒い中なのに汗びっしょりでとても辛そうであった。その点僕の三脚はいい。僕のはGitzoのトラベラーカーボン三脚、G1541Tだ。丈夫なのにとても軽く重さは0.8kg程度しかない。
何はともあれ、天気はその後も回復せず他の登山者と他愛もない話をして過ごした。足寄から来ていた60代の男性は職場の20代の女性と二人で来たのだという。なんともうらやましい話である(笑)。なんだかんだと時は過ぎ、夜を迎えたのであった。
【満天の星空、そして天の川】
【大雪山の夜明け】
翌朝目覚めたのは午前3時だった。厚着をしてダウンのシュラフにくるまっていても時折、寒いと感じることがあった。来年はもっとしっかりした防寒対策が必要だと痛感した。僕は静かに起き上がると荷物をまとめて午前4時前に小屋をでた。小屋ではお化け三脚のカメラマンはまだいびきをかいていた。東の空にはオリオン座をはじめとする鮮やかな冬の大三角が広がっていた。
星明かりの下、ライトを頼りに小屋を後にした。目的地は白雲岳。小屋はくぼんだ位置にあるため、そこでは日の出を見ることができない。白雲岳の山頂までは1時間ちょっと登る必要がある。雪の積もっている場所は足跡がついているので迷うことはなかったが時折、水が流れていたり雪がない場所で道がわからなくなることがあった。こういう時GPSがなかったら間違いなく迷ってしまっていただろう。一時間ほどの登りの後、白雲岳に登頂した。地平線には鮮やかなグラデーション、残月が頭上に輝いていた。
白雲岳山頂にて自分撮り。
日が昇ってしばらくしてもガスは一向に晴れる気配が無かった。南の方角にはトムラウシがくっきりと見えていたのに写真を撮る前にガスがかかってしまい、撮影できなかったのが心残りだった。朝日を浴びてピンク色に輝くトムラウシを撮りたかった。時刻は朝6時ごろ、もう少し山頂で粘ってみようと決意した。だんだん寒くなってきてお腹もすいてきたので、ザックからカップ麺を取り出して山頂で朝食を摂ることにした。昨日の夕方、避難小屋で何もすることが無かった時に食べてしまおうと思っていたものだったが、やはりあの時食べなくて正解だったと僕は自分を褒めたたえた。もう一人の登山者は「お気をつけてー」という言葉を残して下山していった。これからどこにいくのだろうか。
お湯が沸いたあと指を突っ込んでみたがあまり熱くない。やはり高所だから沸点が低いのだろう。ラーメンができるか不安だったが数分待ったらちゃんとラーメンになっていて安心した。このときお湯はわざと少なめに入れておいた。山頂ではスープも全部飲み干さなくてはならないのでお湯を入れすぎると大変なのだ。
【トムラウシの絶景】
それから山頂で30分ほど粘ってみたが一向にガスが晴れる気配はなかった。相変わらずトムラウシの姿は見えない。このガレ場はナキウサギの生息地でもあるから、姿を見ることができないか望遠レンズを装着して待っていたがナキウサギの声すら聞こえなかった。早めに層雲峡に下山しなければならなかったからあきらめてザックを背負い下山の準備を整えた。ガレ場をゆっくり下り白雲分岐に近づいた頃、ガスが晴れて太陽がまた顔を出した。そして、これまでガスに隠れて見えなかった、さっきまでいた白雲岳の山頂が青空の下に姿を現した。
しまった、と僕は思った。そして重いザックを背負ってまた白雲岳の山頂に引き返そうと思った。でもここで引き返すとタイムロスが大きい。悩んだあげく先へ進むことにした。結果的にこれが正解だった。



































